【教員の病休から休職までの流れ】病休時の給料はどうなるのか?

①時間を作る

教員が病休や休職に入った場合の給料ってどのくらいもらえるかわかりますか。結論、約3年間は約7割~10割支給されます。

働かずしてそんなにもらえるんだね。

この記事では

元公立教員のこんたが、教員をやめたいなと考えている人に向けて、いきなりやめるのではなく、使える制度を使った方がいいということを紹介してきます。(もちろん復帰する前提で)

この記事を読むことで

・しんどくなったら病休に入ればいいと思える。
・病休から休職の流れともらえる給料がわかる。
・病休から休職の日数がわかる。

教員の病休(病気休暇)と休職(病気休職)の違い

「〇〇先生が病休に入りました」と報告がありますが、教員の病休には「休暇」と「休職」があります。

休暇というと、年休や看護休暇と同じようなもので、本来労働義務のある日について労働者の申し出により労働義務を免除する日のことを言います。

休職は、何らかの理由で就労することができない人に対して、籍は残したまま、一定期間就労を禁止することです。そのため、休職の場合、教育委員会より「辞令」が出されます。


NHK News Web

このニュースのように、病気で休職する教員が過去最多になっています。休暇なのか休職なのかで給料の出所も変わってきまし、給料も変わってきます。詳しく紹介していきます。

①教員の病休(病気休暇)

最近では、教員の長時間労働がニュースにも取り上げられ、採用試験の倍率も年々下がっているようです。そのため、正規採用教員が少なくなり、無理して仕事をしている教員がたくさんいる現状です。無理が重なって、体調不良や精神的に不安定になってしまう教員を見てきました。

そんな教員が最初に取る制度が「病休(病気休暇)」です。病気休暇の種類はおよそ次の5つに分かれます。

・公務傷病休暇(公務による病気やけが)
・結核療養休暇
・難病休暇
・生活習慣病(高血圧・悪性新物質など)
・精神疾患
・私傷病休暇(公務以外の個人的なけが)

これらの期間はおよそ180日以内。(結核療養休暇の期間は、「1年間」です。)

病気休暇の期間は、給料は100%支給されます。ただし自治体によっては180日ではなく、90日となっているところもあるので確認が必要です。「休暇」なので通常通りボーナスも支給されます。

この日数を過ぎ、復帰が難しい場合は「休職(病気休職)」になります。

②教員の休職(病気休職)

病休(病気休暇)の期間中に復帰が難しい場合は休職(病気休職)になります。教員の休職は最大3年間身分が保障されています。3年後までに復帰するか退職するかを決める必要があります。

※初任教員は条件付きの採用のため「休職」という制度はありません。

休職に入って

0~1年まで 給料の80%支給(教育委員会より)

1~2.5年まで 給料の2/3支給(共済組合より)

2.5~3年まで 無給

詳しく紹介していきます。

教員の休職中の給料

教員の病休(病気休暇)は180日取れて、給料は100%支給されます。ただ、休職になると、期間によって給料が変わってきます。休職中の給料は人事院によってきめられていて、どこの自治体でも同じ支給額になっています。

①休職に入って0~1年まで

休職がスタートすると、教育委員会より休職の辞令が出ます。その辞令にもきちんと「100分の80を支給する」と明記されています。給料は今まで通り教育委員会から支給。今までと変わることは、80%に減額されるということだけです。

②休職に入って1年~2.5年まで

給料という形ではなく、傷病手当金として共済組合より標準報酬平均月額の2/3が支給されるようになります。次の式で計算されます。

1日の支給額 =
支給開始日の以前12ヶ月間の各月標準報酬月額を平均した額 ÷ 30日 × 2/3

例えば、
標準報酬平均月額30万である場合、1日6666円。
1か月では約20万円支給されることになります。傷病手当金は非課税所得となるため、所得税と住民税を支払う必要はありません。月20万だと、税金約4万円です。そのため、休職に入って1年~2.5年の間は20+4=24万円支給されている(8割支給)と同じくらいです。

休職に入って1年経つと

収入は2/3になってしまうけど、

傷病手当金は非課税だから

8割支給と同じくらいはもらえる。

③休職に入って2.5年~3年

病休に入って、100%支給。休職に入って給料の70%~100%支給されていたものが無給になります。

④休職(病気休職)のボーナス

病休(病気休暇)中のボーナスの額は変わりません。ただ、休職(病気休職)になるとボーナスの額も減額されます。ボーナスは在職実績に応じて支給。6月1日と12月1日が基準日になっており、基準日以前に1日でも勤務していればボーナスの一部が支給されます。

病休時の給料のまとめ

教員の病休制度は恵まれています。病休に入って約3年は収入が入ってくるのです。

・病休といっても、病気休暇と病気休職がある
・病気休暇は最大0.5年で、給料は100%支給
・病気休暇終了後は、病気休職が最大3年とれる
・休職開始1年までは給料は80%支給
・1年~2.5年は傷病手当金として66%支給
・2.5年~3年は無給

教員の病休から休職までの流れ

病休を取ってから休職。復帰が難しい場合は退職までの流れを紹介します。

病休(病気休暇)は簡単に入れます。

ただ休職(病気休職)はハードルが上がります。

①病休(病気休暇)に入るまで

病休は比較的簡単にとることができます。

必要な書類は2枚

・病気休暇願
・医師の診断書(2000~3000円くらい)

以前、「こんた」と校長と話したこと。

仕事と家庭のバランスをとることが難しい。

やめることも考えています。

やめて、子育てが落ち着いたら、また採用試験受けたらいいと思っています。

教育委員会に確認したら

やめたら採用試験受からない。

病休という手はどうだろうか。

病院に行って、今の現状を話したら

「精神障害」と認定されるから

とのこと。意外と簡単に病休(病気休暇)ってとれるのだと思いました。

②病休に入ってから

病休に入った人から聞くと、校長や教頭から今の状態を聞くための電話がかかってきたそうです。「体調はどんな」「どんな一日を送っているか」など。ただ、学校の人と話をするだけで、つらいなどと話すと、そういった電話の回数は減ったみたいです。

③休職するまで

病休から休職になると、ハードルが上がります。広島県教育委員会のホームページには次のように書かれていました。

病気休暇
病気休暇は、特別休暇の一つで、その取得に当たっては、休暇を取得しようとする教職員が請求し、所属長が承認することが必要です。また、連続6日を超えて請求する場合は、医師の診断書等が必要です。

病気休職
休職とは、病気休暇とは異なり任命権者が行う分限処分の一つです。公務能率の維持を目的として行われる分限処分は、不利益処分であるため、慎重に行う必要があります。

したがって、所定の様式の診断書、本人の願い、所属長の意見書を求めて、任命権者である広島県教育委員会が給食の休職を行います。

とあります。

必要な書類

・病気休職願
・医師の診断書2枚

休職になると、診断書が2枚必要になる自治体もあるようです。もちろん、同じお医者さんに2枚書いてもらうことではありません。違う病院違うお医者さんに書いてもらうということです。新しい医師にも過去の病状を伝えなくてはいけないので、時間もかかるようです。

④休職の期間延長

最初の休職のときは、期間は短めで設定されるようです。代替教員の関係だそうです。そのため、すぐに休職の期間延長をしなくてはいけないのかもしれません。診断書が必要になるので、病院に行く必要があります。

⑤退職する場合 退職金

病気休暇から病気休職まで最大3年半とることができます。ただ、その期間に復帰が難しい場合は、退職という形になります。

私の妻も小学校教員を7年やっていて、昨年度退職しました。

退職の手続きについて聞くと、「すぐ終わった」とのことでした。

教員になるための勉強や試験、休職の手続きのわずらわしさはどこにいったのでしょうか。退職願を書いて、おしまいだったそうです。

退職金は次のような計算式で求められます。

まとめ

この記事では、教員をやめたいなと考えている人に向けて、いきなりやめるのではなく、使える制度を使った方がいいということを紹介してきます。まずは、年休や特別休暇を使って休むことが重要です。

年休や特別休暇だけではどうにもなくなった場合、病休を考えましょう。もちろん退職すること前提で病休を取るのはよくないと思いますが、復帰するための制度です。

なにかと風当たりの強い教員の病休や休職ですが、本当に休むべき必要のある人にとっては無くてはならない制度です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました