公立教員を退職するのは勇気がいることですね。「安定」の王様ともいえる公立教員。
「安定」とは「安く定まる」ということで、収入が爆発的に増えることはないのです。
約10年間やってきた公立教員を、勇気をもって退職しました。
徐々に「安定」を手放していく退職の流れはおすすめです。
そうはいっても退職は不安だな。
そんな方に見てほしいものがあります。
退職年 | 年代 | 年収増減 | 本業 | 副業 |
2014年 | 40代 | +220万 | 私立教員 | Webライター |
2018年 | 30代 | 0万 | 私立教員 | |
2020年 | 30代 | +90万 | IT関連会社 | アプリ開発 |
2021年 | 30代 | 0万 | 塾講師 | スーバー |
2021年 | 30代 | +40万 | 非常勤講師 | 水族館の受付など |
2022年 | 30代 | +120万 | 教材開発会社 | |
2022年 | 30代 | -100万 | パン教室 | webライティング |
クラウドワークスで早期退職した公立教員にアンケートを実施。
回答してくれた方のほとんどが、年収が上がっています。公立教員を退職したら必ず年収が上がるわけではありません。
公立教員を続けていくよりは、上がる可能性があります。上がる率も高いと思います。失敗したら戻ることもできるのです。
この記事を読むことで、
①退職金がいくらもらえるか
②退職後のおすすめの仕事がわかります。
教員の退職金の決まり方
教員が退職した場合、退職金がもらえます。退職金の金額は次のような式で求められます。
教諭の場合、「調整額」は考えなくてもいいので、「退職日の月給」「支給率」で退職金がきまります。私の場合、勤続年数10年で退職したので、
①退職日の月給はおよそ30万円
②支給率はおよそ5だったので
→退職金は30万×5=150万。
それでは、具体的な要素について確認していきます。
①【退職金を決める要素】給料月額
退職した年の基本給のことです。基本給は給与明細を確認したらわかります。
また、教育職給料表というものが各都道府県にあります。
なんだこの表どうやって見たらいいんだ?
役職のようなもので、
教員の場合は4等級に分かれていることが多い。1級=講師、2級=教諭、3級=教頭、4級=校長特2級=主幹教諭
大学卒業=17号給スタート
修士課程卒業=29号給スタート
第2 統計表I 一般職関係 第4表~第9表の4(総務省)p3,p68より基本的に1年で4号給ずつ上がっていく。
年齢が上がれば、号給も上がることがわかります。まさに年功序列制度。
②【退職金を決めるもの】退職金の支給率
退職金の支給率は「勤続年数」と「退職理由」によって変わってきます。
「勤続年数」は長ければ長いほど、支給率は高くなります。40年勤務すると、「退職日の給料×45」の退職金になるので、およそ2000万円になります。
③勤続年数と退職金
教員の退職金は、「勤続年数」と「退職理由」でほとんど決まります。早期退職の場合、「自主退職」になるので、「勤続年数」が重要になってきます。
退職金計算式によると、
勤続年数と退職金の関係は次の通りです。
5年で65万、10年で150万、15年で340万、20年で760万…といった感じで増えていきます。
退職した教員におすすめの仕事
教員は「教員免許状」という資格を持っているので、就職のときにかなり有利になります。また公立教員の経験があるので採用される率も高くなります。そんな元教員にとっておすすめの仕事は以下の通りです。
①塾講師
教員免許を持っていたり、学校現場での経験があるだけで採用される確率は上がります。どの塾かにもよりますが、講師、室長、エリア長などと昇格することで、教員時代よりも給料もアップすることもあるようです。
ある塾では、26歳で400万、28歳で510万、31歳で750万と着実に年収が上がっているそうです。
メリット
・学校と違い、学習指導だけすればよい。
・指導に自由裁量がある
デメリット
・勤務時間が夜にまで及ぶ
・複数の教科を教えることも
・ペンを配るなど営業活動がある
②私立教員
私が選択した方法です。募集は、公立の教員採用試験の結果が出る10月頃から多くなる傾向にあります。私立教員の情報サイトや、学校のホームページの教員募集でチェックします。
公立学校とは違い自分で勤務したいと思う学校を受験できるので、「どの学校に採用されるかわからない」という心配はありません。
メリット
・公立学校と比べて教員裁量が多い
・正規教員の本業で副業ができる
デメリット
・学校毎に給料が決まっていて、明かされていないことも
・土曜日に授業が入ることも
・異動がない。
③非常勤講師
公立教員は副業を認められていないから、退職して非常勤講師の道に進むことも最近では多いようです。授業を担当する非常勤講師の1授業時間の単価は2500~3000円。(栃木2620円)
また、年休は週当たりの勤務日数を勤務年数などで最大20日までとれるようです。
メリット
・授業に専念できる。
・残業がない
デメリット
・任期が決まっている。(不安定)
④教材作成
ハロワカ?(https://www.harowaka.com/kyozai/sippitsu/)というサイトを使って、教材執筆・問題作成者の求人があるかどうかが確認できます。在宅スタッフであれば、自宅にいながら作業ができるので、副業としてはおすすめです。
応募すると、メールで返信があり、「履歴書」「職務経歴書」「校正テスト問題」などに取り組みます。ただ、教材作成、テスト作成は毎月仕事があるというわけではないので、収入の安定はしないと思います。
メリット
・在宅で仕事をすることができる
・自分の得意を生かすことができる。
デメリット
・毎月安定して仕事があるとはかぎらない。
⑤教員とは違った仕事
①~④は教員免許状を持った教員ならではの仕事を紹介しました。ただ、自分の趣味であるパン作りを生かして、パン教室を開いているケースやプログラミングが得意だったので、プログラマーとして採用されたりすることもあります。
とにかく、自分の趣味や特技を生かせる仕事に就けたらいいですね。
教員を退職する流れ
①退職した後のことを決めておく。
・塾講師
・私立教員
・非常勤講師
・教材作成
・その他・・・
大事なことは
徐々に「安定」を減らすこと。
一気に減らしてはいけない。
退職金もあるので
一時的に年収が少なくなっても
気にしない。
②退職する意思を管理職に伝える
教員退職後の仕事が決まったら、「教員を退職したい」と管理職に口頭で伝える。
退職を伝えたら、事務室に行って、事務手続きが必要です。
③荷物を持って帰る。
退職を同僚に知られたくなかったので、少しずつ荷物を持ち帰りました。退任式の数日前に、人事が発表されるので、そのときに、同僚に「退職すること」が伝わります。
④年休や特別休暇を消化しておく
教員には年休や特別休暇があります。余っていてももったいないので、計画的に使うことをおすすめします。
【うまくいかなかったとき】教員を退職して戻ることも!
どの県も採用倍率が低い現状です。またどの県も教員不足が発生。
毎日新聞より
こういう現状だからこそ、いざとなったらもう一度採用試験を受けたり、臨時採用教諭として働いたりすることもできます。また、ほかの仕事に就くことで、見分が広がり、より高い教育の質を提供できるかもしれません。
まとめ
この記事では、公立教員の退職について紹介しました。簡単な手続きで居院の退職はできます。退職後の仕事がうまくいかなかったら、また採用試験に受けて戻るという選択肢もとることができます。だからこそ、チャレンジしてみる価値はあると思います。
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